時間足ごとの始値と終値の傾向からトレード手法を検討する
前回の記事で仲値時間前はドル買い傾向があると書きました。
仲値時間に限らず、時間によって値動きに特徴があるかもしれません。
時間足ごとの始値と終値の推移
そこでドル円相場に関して、時間足ごとの始値と終値の推移(始値 - 終値)がどのようになっているか,
下の表にまとめてみました。
GMT+9
AM7:00
AM8:00
AM9:00
AM10:00
AM11:00
PM0:00
PM1:00
PM2:00
PM3:00
PM4:00
PM5:00
PM6:00
PM7:00
PM8:00
PM9:00
PM10:00
PM11:00
AM0:00
AM1:00
AM2:00
AM3:00
AM4:00
AM5:00
AM6:00
count
2845.000000
3201.000000
3517.000000
3520.000000
3520.000000
3520.000000
3520.000000
3520.000000
3520.000000
3519.000000
3518.000000
3519.000000
3519.000000
3518.000000
3519.000000
3519.000000
3521.000000
3521.000000
3521.000000
3521.000000
3519.000000
3518.000000
3515.000000
3512.000000
mean
-0.007810
-0.003277
-0.003224
-0.005250
0.000926
0.007571
0.007196
0.003696
0.000472
0.005587
0.000705
0.000932
0.001583
-0.002200
-0.009022
-0.001057
0.003922
0.006223
-0.002178
-0.002763
-0.001287
0.001430
-0.000108
-0.001244
std
0.099597
0.096780
0.106065
0.138823
0.151229
0.131609
0.108402
0.103920
0.112331
0.109939
0.136138
0.153584
0.141914
0.138092
0.124439
0.132533
0.203107
0.168266
0.209170
0.156136
0.129738
0.125865
0.135309
0.114275
min
-1.360000
-1.290000
-0.670000
-1.730000
-2.640000
-1.200000
-0.930000
-0.980000
-1.650000
-1.310000
-1.260000
-0.910000
-1.200000
-0.910000
-0.890000
-1.270000
-1.210000
-0.930000
-1.520000
-1.060000
-0.980000
-1.200000
-1.090000
-1.400000
25%
-0.050000
-0.050000
-0.060000
-0.070000
-0.080000
-0.050000
-0.040000
-0.040000
-0.050000
-0.050000
-0.070000
-0.080000
-0.070000
-0.070000
-0.070000
-0.060000
-0.090000
-0.080000
-0.100000
-0.080000
-0.060000
-0.050000
-0.060000
-0.050000
50%
-0.010000
0.000000
0.000000
-0.010000
0.000000
0.010000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
-0.010000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
0.000000
75%
0.030000
0.040000
0.050000
0.060000
0.072500
0.070000
0.050000
0.040000
0.050000
0.050000
0.070000
0.080000
0.070000
0.060000
0.050000
0.060000
0.100000
0.090000
0.090000
0.070000
0.050000
0.050000
0.050000
0.040000
max
2.350000
1.010000
1.250000
0.940000
1.120000
0.820000
1.020000
1.270000
0.720000
0.840000
0.980000
1.010000
2.090000
1.530000
1.320000
1.440000
1.510000
1.220000
2.530000
1.220000
1.920000
1.640000
2.770000
1.290000
対象期間は2001年から2014年8月までです。各時間足の始値(open)から終値(close)の差分(dif)を求め、その要約統計量を求めています。
表のmean(平均)を見ると、AM11:00~PM7:00まではプラスでAM1:00~AM10:00まではほぼマイナスとなっていることがわかります。これはおそらく、日中時間帯は海外の機関投資家が日本株等の買い付けのために円買いを行うため円高傾向になる。逆に深夜帯から朝にかけては外資のポジション調整や邦銀のドル買いによって円安傾向になる、ものと考えられます。
この結果から、
(1)AM11:00にドル円を買い、PM7:59にそのショートポジションを決済する。
(2)AM1:00にドル円を買い、AM10:59にそのロングポジションを決済する。
という2つのトレード手法が有効なのではないか、と考えました。
時間をキーにしたトレードのバックテスト
そこで、それぞれの手法を実行した場合にどれほどの収益を得ることができたのか、2001年から2014年の過去データを用いてバックテストを行いました。
(1)のケース
上記はdifの累積値の時系列グラフです。
毎日、AM11:00に1万通貨のドル円を売り、PM7:59にそのショートポジションを決済した場合、14年間で約100万円の収益(スプレッド差は考慮されていない)を確保することができたことがわかります。
仮にスプレッドを1銭として3,200回トレードしていると考えた場合、そのコストは32万なので、それでも収益はプラスです。
(2)のケース
上記はdifの累積値の時系列グラフです
毎日AM1:00に1万通貨のドル円を買い、AM10:59にそのロングポジションを決済した場合、14年間で約55万円の収益(スプレッド差は考慮されていない)を確保することができたことがわかります。
仮にスプレッドを1銭として3,200回トレードしていると考えた場合、そのコストは32万なので、それでも収益はプラスです。
以上、時間足ごとの始値と終値の傾向からトレード手法を検討した結果、次の2つの手法で収益化可能であることを示しました。
(1)AM11:00にドル円を売り、PM7:59にそのショートポジションを決済する。
(2)AM1:00にドル円を買い、AM10:59にそのロングポジションを決済する。