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格差がなぜ問題か?って聞かれたら、意外と返答に困った


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ここ数ヶ月はトマ・ピケティの『21世紀の資本』を読んでました。私の周りの経済屋さんは比較的みんな読んでいる印象です。

700ページ近くありましたが、なんとか読了できました。

富は集中する

結論から言うと、資本収益率rが算出の成長率gを上回る(r>g)状態が続き富の分配が不平等なものとなるので、我々庶民は資本家に搾取されて貧乏になるよ(格差拡大につながる)とのことです。

 

ピケティが最も目の敵にしている資本を所有している人々とはだれか誰か。それは天然資源開発で財をなしたロシアのオリガルヒやIT分野でイノベーションを起こしたビル・ゲイツ、ウォール・ストリートで高額な報酬を手にしている役員たちでもなく相続によって巨額の財産を手にした地主の子息や化粧品ロレアルなどの創業者の娘たちです。

前者は彼ら自身の能力によって(報酬が評価に見合っているかは別として)富を得ているのに対し、後者は世襲的な資本によって不労所得生活が実現されており好ましくないと考えられるからです。

ピケティの提唱する格差解決するための政策

累進的な資本税

格差を縮小するため累進的な所得税が導入されているが、総じて高額所得者はタックスヘイブンへの資産の移転や過少申告などの問題があり、所得の計測が困難な場合があります。

そこで、税務当局が所得の捕捉しやすい不動産や金融資産に対する、累進資本税を導入し、裕福な個人の貢献能力に応じて課税することが好ましい。

インフレ

歴史的にみて世界大戦後のインフレにより、国債の利息で生活していた不労所得者は資産価値が減価したため淘汰された。中央銀行によってインフレ目標が設定されているほうが格差縮小につながる

いずれの政策にせよ相補的であるのでメリット、デメリットをふまえてうまい具合にポリシーミックスする必要があるとのことです。当たり前ですが。

そもそも、格差がなぜ問題か?

とはいえ、富裕層の所得やら資産やらを課税等によって制限をかけたところで、格差は縮小するかも知れませんが、私の収入が2倍になるわけでも、資産を手にできるわけではありません。

タイトルにあるように、同僚とピケティの話をしていて「格差がなぜ問題か?」って聞かれたら、意外と返答に困りました。100億円の資産を保有している人の話なんて正直どうでもよくて、むしろ自分の収入が少しでも増えることのほうが遥かに重要であって、収入が下位の人であっても、それなりの収入で満足いく人生送ってればそれでええやん、とか考えたりしたからです。

もちろん、富裕層に課税することで所得の再分配を実現し、所得の底上げを図るというのも理解できますが。

私が資産家になるためにできる唯一の方法

オノレ・ド・バルザックが『ゴリオ爺さん』で描いた(ヴォートランがラスティニャックに提案した)社会的成功をとげるための策略でもあり、それは

玉の輿のなる!!

ですかね。

ただし、それほど美しくもなく魅力的でもないという事実に目をつむって、ヴィクトリーヌ嬢と結婚せねばなりませんが・・・

21世紀の資本

21世紀の資本