【FX】FX業者のポジション比率はトレードに使えるか -その1
FXでは、反対売買による決済をすることで利益が確定します。そのためポジションが積み上がりすぎると、将来的に現在積み上がったポジションと逆方向に相場が動く可能性が高まります。具体的には、買いポジションが過大になれば相場下落、売りポジションが過大になれば相場上昇の可能性が高まっていると考えられます。
ポジション比率を示すデータとしてIMM通貨先物ポジションがあります。こちらはアメリカのシカゴマーカンタイル取引所(CME)で取引された通貨ポジションを全米先物取引委員会が毎週金曜日に公表しているもので、ヘッジファンドや実需の売買など多様な参加者のポジション比率の縮図として市場関係者が注目しています。 しかし、週に一回、しかも金曜日の取引終了後に火曜日時点の数値が発表されるため、情報の遅れや更新頻度の点から、デイトレには参考程度にしか使えません。
そこで、毎日更新されるポジション比率を公開しているデータ元を見出し、そのデータがトレードにおいて有効に活用可能かを検証したいと思います。
ポジション比率のデータ元
取得するデータですが、マーケットのポジションがより反映されていると考えられるものが好ましいです。そこで今回はポジション比率を公開していて、預かり証拠金残高の大きいFX業者である外為ドットコムのデータを使うことにします。
外為ドットコムではデイリーでロングとショートのポジション比率を棒グラフで公開しています。
公開している通貨ペアは次の20通貨で、主要通貨ペアはカバーされています。
で今回の分析では、過去に外為ドットコムで公開されていた(現在はサイトリニューアルにともなって更新されていない模様)、こちらのデータセットを利用します。 2018/8/30-2019/1/17までの日別のポジションで、ニューヨーク時間クローズ時点でのポジション比率で集計されています。
ポジション比率と為替変動
上記で取得したドル円とユーロドル、ポンドドルの主要つかペアの買いポジション比率に、くりっく365で取得した終値から算出した日ごとの日ごとの為替レートの差分をプロット、線形回帰した結果と決定係数を求めてみました。
仮説では、買いポジション比率が高ければ、将来的な売り圧力となるため、翌日のレートは下がる、逆に買いポジション比率が低ければ 、将来的な買い圧力となるため、翌日のレートは上がることを想定しています。
ドル円
グラフには、ポジション比率と為替変動は関係ないように見受けられます。国内の投資家はキャリートレードを目的にロングをとる傾向があるためでしょうか。レートが下がっても買い増しする人たちがいることでポジションの傾き関係なく動くものと考えられます。
ユーロドル
ユーロドルはむしろ仮説と逆の傾向があるようです。ポジションが傾いている時はトレンドが発生しており、さらに買い増しを試行するということでしょうか。であれば、買いポジション比率に閾値を設定するか、ポジションの限界点を判定するなどの分析が必要かもしれません。
ポンドドル
ポンドドルもユーロドルと同様ですね。買いポジション比率に閾値を設定するか、ポジションの限界点を判定するなどの分析が必要ですね。
まとめ
今回、外為ドットコムのポジション比率のデータを利用し、ドル円、ユーロドル、ポンドドルの為替変動との関係について見てみました。今のところトレードに活用可能な知見を見つけるには至っていないのが現状です。次回、買いポジション比率に閾値を設定するか、ポジションの限界点を判定するなどの分析を行ってみたいと思います。