ヘッジファンドの売買技術-利益を勝ち取るための相関性のない20の戦略とテクニック
優位性のあるトレードを探求するために過去のシステムトレードの書籍をいくつか読み漁っています。
今回はヘッジファンドの売買技術-利益を勝ち取るための相関性のない20の戦略とテクニックという本のレビューです。
ヘッジファンドの売買技術-利益を勝ち取るための相関性のない20の戦略とテクニック (ウィザードブックシリーズ)
- 作者: ジェームス・アルタッチャー,長尾慎太郎,井田京子,西村嘉洋
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 単行本
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こちらは2004年にアメリカで出版された本で、システムトレードのファンドマネージャーだった著者が実際に使っていた手法を記載したものとなっています。今から15年前の本ですので、検証しているデータは古いですが、実践で使われていた以下の19ほどの手法が取り上げられています。
基本トレード――ギャップの利用
いわゆる窓開け・窓埋めです。以下のチャートの黄色枠のように、終値と始値で乖離している足がありますが、これを窓と呼び、一般的に窓が発生した場合、この窓を埋める方向へ値が動くとされています。その特性を生かしたトレードです。
QQQとSPYのスプレッド差を利用した片側ペアトレード
ロング・ショート戦略とも呼ばれる手法のアレンジ版です。同じセクターなどで相関の高い銘柄(トヨタとホンダなど)の場合、ショックなどで一方の値動きがもう一方と乖離しても、時間の経過とともに似た値動きに収束する傾向がある。なのでショックで暴落した銘柄を買って、もう一方を売れば収益化のチャンスとされている。さらにこの場合、変動率の高いほうが、よりボラティリティが高くなるので、こちらの銘柄のみをトレードすればよい、これが片側トレードの意味するところ。倒産銘柄を買う
倒産銘柄の取引が一時停止後に再開するときには、停止前よりずっと安く始まって、すぐに倍になることが多い。TICKの利用
TICK指数は過去1秒間におけるアップティック銘柄数からダウンティック銘柄数を引いた数で、マーケットのセンチメントを表す。売られ過ぎのシグナルが出ているとき、買いで入る。トレードバンドを使ったシステム
いわゆるボリンジャーバンドにもとづくトレード。5ドル以下の株
5ドルを割るとリスクプレミアムが高騰し、高パフォーマンスになるため、投資対象として旨味がある。スロータートル
相場のモメンタムを利用したトレンドフォロー型のトレードで、いわゆるゴールデンクロスに近い手法をとる。QQQクラッシュシステム
長期の移動平均線から瞬間的に大きく乖離したタイミングで買う。連銀相関モデル(およびイールドの面白い使い方)
債券利回りに基づくトレード指数からの除外銘柄
指数からの除外が決まった銘柄は、インデックスファンドなどの将来の売りが想定されるため、空売りされる。この積み上がったポジションが実際の除外後のショートカバーにより、高騰する要因となる。200日移動平均線について聞きたくても聞けなかったこと
200日移動平均線にもとづく、こちらもいわゆるゴールデンクロスに近い手法をとる。四半期末、月末、月足の包み足
四半期末は買い控えられる傾向があり、空売りの対象。
月末はファンドマネージャーたちが月間成績を意識した取引をするため、下げが大きい場合、パニック売りになる傾向がある。
前月と比較してレンジが大きい月はボラティリティの平均回帰傾向にとって、翌月の株価は上昇する可能性が高いとされる。10%ダウン――パニック初級
前日の終値よりも10%下げたら(パニックで売られたら)買うオプション満期日の利用
トレンドが続き、VIXの終値が直近の安値付近にあるオプション満期日の前週金曜の場合、買い。究極の転換社債アービトラージ
転換社債を利用したトレード日中ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドを指標として、パニック売りに対して買いで入る。吉報には4がつく(「4」はマジックナンバー)
終値が4日連続してさげたら買う。水曜日の反転
火曜の安値が月曜の高値よりも5%低く、火曜の安値が月曜の安値より安ければ買う。うまくいかないテクニック
以下が挙げられている.
・ロウソク足
・季節性
・低PER、高PER
と数多の手法を提唱されていますが、米国の市場での話ですし、今でも有効な手法なのかは定かではないので、上記のうち検証が手軽そうで、日経先物市場に適用できそうな1,7,8,11,12,13,17,18の8つを次回以降で検証していきます。