サイエンティストとマーケターのはざま

Pythonとか広告とかデータ分析とかとか


Brand Attitudes and Search Engine Queries

Googleによる、検索クエリとブランド態度変容の関係の実証分析です。
2017年のJournal of Interactive Marketingに掲載された、GoogleのサイエンティストJeffrey P. Dotsonらによるペーパーです。
Googleのブランド名の検索クエリとブランド態度(特に利用意向)の関係を、独自のマイクロレベルのデータを使って明らかにしています。広告接触の話ではない点に注意です。

実証

Data Collection

パネルユーザーの選定とGoogleアカウントのsyncは以下フローの通り。
スクリーニングの過程で最終的なユーザーは15,977から1,511まで絞り込まれている。
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Survey-based brand metrics

設問は認知、純粋想起、好意度、consideration、利用意向の5つ。
対象ブランドは'Android', ‘Toyota’, ‘marriott’, ‘Fidelity’, ‘Old navy’, ‘Coca cola’, ‘Snickers’, ‘Pantene’, ‘Chevron'の9ブランド。
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Search data

ブランドの検索は、Google Adwords Keyword Toolに基づいた関連する検索(e.g. “iphone”であれば“iphone 5”とか)まで含む。

Relationship between Brand Attitudes and Search

Analysis Approach

ユーザーjのブランドiの検索クエリの数をyijとする。 yij>0となる確率は二項ロジスティック回帰に従うとして、以下で表される。
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このとき、αiはブランドiにおける切片、βは、ユーザーjのブランドiへの態度を表すベクトルxij変数である。ベクトルzijはコントロール変数。
(1)のハードルを越えたユーザーにおいては、検索回数はyij=1における負の二項分布に従う。
これは、yijが負の値をとらないためである。切断された負の二項分布の確率密度関数は以下で与えられる。
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θは過分散パラメータ。この式概念はわかるけど、細かいとこよくわからん。
本分析においては、ユーザーが検索するかどうかに関しては(1)式を用い、ユーザーがどのくらいの回数検索するかに関しては(2)式を用いている。

Findings

(1),(2)式の推定結果が以下。
太字になっているのが5%水準で有意な変数。
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同じカテゴリーのブランドは似たような効果を示す。例えばスマートフォンのカテゴリーでは、ブランドリフトしている人はそうでない人に比べて7倍以上も検索するが、他のカテゴリでは5.2倍にとどまる。
また両カテゴリーにおいて、検索回数が増えるブランドではpurchaseをconsiderするユーザーが多い傾向がある。さらに、購入した、もしくあは購入意向のある(In-Market)のユーザーは1.4倍検索する。
全体として、検索したという事実がブランド態度と相関するだけでなく、検索回数の分布を右にシフトすることも示される。

結論

Limitations

ブランド態度と検索の関係に焦点をあてたもので、広告と検索の話ではない。 カスタマーが特定のブランドにきわめてロイヤルな場合、shoppingと関連した検索はほとんど見られない。
購入意向の質問と検索の間に、強い関係は見られない。

Generalizability

“enthusiasts”な消費者の多いカテゴリでは、ブランド態度と検索に似たような傾向がある。逆にfast food やpackage goodsでは検索エンジンを利用しないため、当てはまらない。

参考文献

https://research.google.com/pubs/pub45740.html