データサイエンティストになるには- 転職のケース
前回は新卒でデータサイエンティストになるにはどうすべきか、について触れました。 www.superi.jp
今回はデータ分析業界に身を置く私の経験や昨今の市場環境を踏まえ、未経験でデータサイエンティストに転職するにはどうすべきかについて触れたいと思います。
すでにお仕事をされていて、データサイエンティストになりたいと考えられている方というのは、実務でデータに関与するポジションにいる、もしくはデータ活用が求められた経験がある、過去学生時代に統計をかじっていた方でしょう。
データサイエンティストのニーズ
前回も書きましたが、求人数は2015年と比較して2018年は1.5倍と右肩上がりです。
データサイエンティストとして採用されるために求められるスキル
データサイエンティスト協会が描いているデータサイエンティストとしてのすきるとして、ビジネス、エンジニアリング、サイエンスがあります。それぞれ、データサイエンスを駆使して解くべき課題を設定する力 、データ加工や分析結果をプロダクトや業務オペレーションに落とし込む力、分析手法やアルゴリズムを選定し、分析する力をさしています。
いずれのスキルも満遍なく必要ですが、職種により、求められる、尖らせるべきスキルは異なります。コンサルティングファームのアナリストであればデータサイエンスを駆使して解くべき問題設定の秀逸さと説明力を求められます。IT企業でプロダクト開発に携わるのであれば実装スキルを、R&D部門で論文の執筆がメインであればサイエンス力がより必要となってきます。
データサイエンティストを採用している企業・部門
データサイエンティストと一口に言っても、企業や部門に求められるスキルセットが異なります。現在のスキルセットややりたいことから狙うべき企業・部門を選択する必要があります。下記は各部門のデータサイエンティストの業務内容です。
コンサルティングファームのデータアナリスト
おもにアクセンチュアやデロイト、KPMGなどの総合系のコンサルティングファームやブレインパッド、アルベルトなどのブティックファームが採用しています。クライアント先での常駐プロジェクトが中心です。業務内容は業務改革へのデータ活用、BIの導入やデータ基盤整備などがメインです。各ファームどうゆう案件に強いか、採用面接等を通してヒアリングすることでミスマッチしないようにすることをオススメします。
マーケター
売り上げやROI改善のためのインサイトを得る目的でデータ分析をします。場合によっては自身でBIでマーケティングダッシュボード構築をすることもあるかと思いますが、マーケティングに必要なシステム開発は関連会社の情報子会社やベンダーが担うので、エンジニアリングよりは企画・調整などジェネラリストとしての素養が重要です。
企画部門
経営や人事データ、サプライチェーンや業務系のデータ分析をおもに担当します。マーケターの場合と同じく、エンジニアリングよりは企画・調整などジェネラリストとしての素養が重要です。
プロダクト開発
予測モデルやレコメンドエンジンをプロダクトに実装します。AIエンジニア、MLエンジニアと呼称する場合もあるかと思います。プロダクトの機能・価値向上が目的で、実装力が問われます。アジャイル開発やGitでのバージョン管理など、開発チームメンバーとして採用されます。
R&D
論文読み解くアカデミックなスキルが求められます。論文執筆が評価KPIだったりするケースもあるので、生粋の研究者タイプで博士号保持者でないとそもそも採用されないかもしれません。
データサイエンティストになるには
現在データサイエンティストでなくても、私自身がそうでしたが、転職によりデータサイエンティストとして採用されることは十分あります。私含む(元)同僚で、データサイエンティストへ転身した人が持っていたバックグランドは次の5つです。全てを満たす必要はありません。
- エンジニアとしてコードが書ける、SQLでDBへアクセスできる
- 社内に導入済みのSASやSPSSなどの分析パッケージソフトを操作していた
- 学生時代に統計、計量経済学、人工知能、素粒子など高度な数学的素養が求められる研究をしていた
- プライベートでデータサイエンスに関わる勉強やディープラーニングの実装、Kaggleへの参戦など、データサイエンスに関わることをしていた
- 若くポテンシャルがある
コードが書けるエンジニアのほうがデータサイエンティストになれる可能性は高いです。そうでない場合は、コンサルタントやマーケターなど、ビジネス的素養とデータサイエンス的素養を併せ持っている点をアピールすることでデータサイエンティストになれる可能性があります。
いずれにせよ、現在募集のあるデータサイエンティスト職に関して情報収集するため、転職エージェントに登録・相談するのがいちばんてっとり早いでしょう。